久しぶりに見たい映画があったので映画館まで。「WALKING MAN(ウォーキングマン)」というラッパーの映画です。まずは予告編を!
www.youtube.comストーリー
川崎の工業地帯。幼い頃から人前で話すことも笑うことが苦手なアトム。
極貧の母子家庭で、母と思春期の妹ウランと暮らしながら、不用品回収業のアルバイトで生計をたてる日々を送っていた。
ある日、母が事故にあい重病を負ってしまう。
家計の苦しさから保険料を滞納していた一家に向かって、ソーシャルワーカーの冷淡な声が響く。
「自己責任って聞いたことあるでしょ?なんでもかんでも世の中のせいにしちゃダメだからね」。
毎日のように心無い言葉を投げつけられるアトムだったが、偶然ラップと出会ったことでバカにされながらも夢へと向かっていく―。
ヒップホップとアンダーグラウンド、という設定で8MILE(エミネム主演のラッパーの映画)のような話かなというのが見る前の印象。
吃音とラップ
ちょうど少し前に「吃音症の少年がラップ」という記事を見かけてすごく印象に残っていたんですね。「ラップは歌と会話の両方に近く、吃音の治療に使われることがある」ということも初めて知りました。
「ラップは歌と会話の両方に近く、吃音の治療に使われることがある」なるほど、知らなかった。 https://t.co/d7NSvDMYaD pic.twitter.com/Wrk0YsGx09
— 長沼健一@チャフフレア (@naturalism) October 23, 2019
「話す時はどもっても歌う時は大丈夫」という方は多いそうで、そのどっちにも属するラップであれば、普段は伝えられない思いを表現できるというニュース。
今作の主人公アトムも吃音症で言いたいことも言えないというハンデを持っており、その彼の唯一の自己表現がラップという方法だったんですね。「青年がラップに出会い~」というよりは「ラップでしか自己表現ができないことに気づき」というメッセージかなと。
自己責任とは
父親が借金を残して先立ち母も事故で入院し貧困状態から抜け出せない生活。名前はアトム(妹はウラン)というキラキラネームがつけられ、吃音症もあって他人と会話もままならない。これを「自己責任」と断罪して嘲笑する大人。
現実でもネットでも他人をバカにして嘲笑する人たちが多ですよね。ただ作中でアルバイト先の先輩が言った言葉。「お前の家が貧乏なのも、どもってるのもお前の責任じゃないけど、ラップはお前の責任だからな」という言葉が非常に刺さりました。
自己責任とは自分が与えられた環境ではなく、自分の選んだ道で自分で背負ってくもんなんだなと。アホな先輩最高。
嘘のない野村周平の演技がすばらしい!
こういった映画、歌の部分は別録だったりその時音が流れなかったり(BECKとか・・)とかだと、すごくガッカリしちゃうんですが、今作は主演の野村周平さんがマジでラップをしていて、作中のドギマギしながらも一歩踏み出すラップシーンもすごくいいし、最後の迫力のラップシーンなんかはガチで上手い。監督自身がラッパーのANACHYさんということもあってだけど、中途半端ではない表現が伝わってきてとてもよいです。
全然お客がいない・・
この映画知ったきっかけは、「ちはやふる」の作者さんがおすすめしているツイートを見かけたんですね。
#walkingman ちはやふるで太一を演じた野村さんは今回はかけらも存在せず、スクリーンに映るのは透明感だけがある臆病で内向的なアトム。優希美青さんは今回は妹役で、母子家庭の兄妹はある事であっという間にどん底に。アトムとウラン、この名前も象徴的だ。名前なんて子供にはどうしようもないのに pic.twitter.com/ANd8vJv5H4
— 末次由紀ちはやふる43巻12月発売! (@yuyu2000_0908) October 30, 2019
このツイートと数日前の吃音とラップのニュースを見ていたことも重なって、速攻で見に行ったんですが・・
誰もいない!!
お台場のアクアシティが割と近い映画館で朝8:40スタート(この日はこの時間のみ)だったんだけど、まじで誰もいなくて完全貸切映画で最高でした。すごいいい映画なのにもったいない。
「WALKING MAN(ウォーキングマン)」結構おすすめです。
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