西野さんの炎上している理由が知りたくて「魔法のコンパス」を読んだ

キングコング西野さんといえばいつも炎上している芸人さん。絵本作家として「えんとつ町のプペル」を発売し26万部を超える大ヒット(2017年2月14日現在)を記録している。

プペルの予約開始をネットで知って、興味本位でAmazonで予約して買った。届いた本は従来の絵本というカテゴリーには収まらないほどの圧倒的に美しいイラストで描かれた少し長いストーリーの絵本。ページを開いた瞬間にすごいなと思った。

その後「ネットで本編を全ページ無料配信」などの手法が話題(炎上)になったりもしていた。過去にも「クラウドファンディングで1000万円以上集めた」「絵本を分業制で作る」「自腹でえんとつ町のプペルを1万冊購入」といった様々な話題(炎上)があった。

なんでいつも炎上しているのか

色んな手法を駆使して作品を作る姿勢、あの手この手で作品を売る姿勢。お金やビジネスに関する考え方は非常に参考になる一方、ちょいちょい炎上していることに対して「炎上する理由がわからない」といった印象だった。ただその考え方自体が思考停止だなと思って、西野さんの著作「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」を読んでみることにした。

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

西野 亮廣
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帯には「泣けるビジネス書」と書いてあった。結果的に読み終えても泣きはしなかったが、西野さんの考え方が凄くクリアに伝わり、とても勉強になった。

信用づくり・仲間を募る・共犯者を増やす

「信用を売り」「仲間を募り」「共犯者を増やす」というアプローチ。クラウドファンディングで資金を募ったり、ツイッターでエゴサーチをして個人に直接アプローチを試みたり、テレビで活躍する芸人が行うにしては泥臭いアプローチ。自分のそして作品のファンを築くという目的に対しては非常に有効だと感じました。

さすがだなと思う一方で、彼は批難の言葉を浴びせる人たちの事も見ているのではと思った。昨日の敵は今日の友ではないが「無関心層」に振り向いてもらうために炎上もいとわないのではないかと。好きの逆は嫌いではなく無関心。そのため少し過激な言い回しになってしまうのかな。そういった思惑も少し感じました。

「嫌われる勇気」じゃないですが、まずは好きでも嫌いでも振り向いてもらうことからスタートしているのかなって。

トライアンドエラーを繰り返しジタバダしている姿は、それができる事自体を羨ましいとさえ思ってしまう

「自分の作った子供(作品)は責任を持って届ける」ぐうの音も出ないほどの正論。あれだけの素晴らしい絵を描き、芸人としても名も売れている人がハッキリ名言して、自分の作品を必死で売る姿を見せる。これを「すごい」と称賛する人と「なんやねんあいつ」とカンに触る人がいる。

つまり自分も含めて「そういった事ができない」人が大半で「いいものは売れる」「売れないのはマーケティングが悪い」「時代が悪い」と嘆く人が大多数。本気で何かをやる人、しかも失敗も含めてジダバタしている有名人が「鼻につく」のではないかと思った。

例えば芸能人もプロスポーツ選手も、ライブや試合を観戦やテレビ等を通じて見られるが、ネタ作りの場面や繰り返しの練習風景、チケットの手売りの姿といった泥臭い部分シーンは見ることは少ない(昔よりは見る機会が増えているが)。あくまでステージにあがっているエリートたちの「試合」を見ることがメインだった。

なのにステージ外で有名人が周りから非難を受けながら工夫をこらして必死で手売りする姿に「みっともない」「こんな手法は昔からあるし」「市場を荒らすな」と苛ついて石を投げてしまうのでは。ひどい話だ。

不満や局面が変わる逆風時はチャンス

時代の変化で不満や不備が増えるということはイノベーションが起こるチャンスと考えられれば、不満が出る=「改善ができる」「別の方向から考えれば違う答えを出せる」そういった考えを持っていれば、向かい風は逆にチャンス。つまり炎上するということは何かしら反発が出ている状態なので、そこにはチャンスが埋まっていると考えているのでは。

時代の局面というのは、気づいたら転換期を迎えているもので「普通の売り方」を普通に続けている人は「特別な手法(のように見えるやり方)」を見たときに「ズルをしている」と感じてしまっているのでは。それは「普通の売り方」が既に時代遅れのやり方になっていて、転換期の摩擦のようなものなのかもしれない。

自分たちは本気で仕事をしているのか

僕は自分の作品と呼べるものは持っていないが「自分の会社」は持っています。のらりくらりと仕事をしていてる(真面目には働いているよ)ように見せているが割といつも必死。でも必死さというものは表に出すのは恥ずかしいと感じてしまうこともある。

そして、こうあるべきという意志があっても「予算が」「時間が」「リソースが」と逃げることもしばしば。誰かに笑われても苦しくなっても、もう少し自分で考えて答えを探していかなければいけないなと。現代の世の中はツールも手法も多様化して、本気で必死でやればいくらでもやる方法はある。

まとめ下手ですが、西野さんの「魔法のコンパス」を読み、もっと考え手間ひまをかけ、必死で仕事しようと思いました。「ビジネス書」と書いてますが非常に読みやすく一気に読める本です。章ごとに何度も読み返したくなります。批判を投げかけた事のある方は一度読んでみるといいかもしれませんね。

最後のあたりが小学生並みの感想ですみません。良書です。

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